〈2017年のある日から話はスタート〉
ハワイに行きたくなる時ってのがある。今までの自分は、仕事に疲れた時とか、なにか行きづまりを感じたような時が多かった。つまり、ハワイは逃避地、あるいは馬の前のニンジン的存在だった。ハワイがあることで、どれほど助けられたかわからない。
今の自分の状況は……、なんとか定年退職したあと、長年やりたいと思っていた公的な仕事に就き、それも終えたという状況だ。
やっと、あらゆるストレスから解放され、長年夢見てきた状態となった。つまり、サラリーマンなんか、やっていたくなかったことになる。サラリーマンというより、職種ということかもしれないけれど、それは今、ここで追求することじゃない。
サラリーマン時代には、自由になったらハワイ三昧だと思っていた。で、さあいよいよハワイ三昧かと思ったら、実はそうでもなかった。これが不思議。今まで恋い焦がれてきたのに、「とりあえず行ってみるか」とか、「来年でもいいか」などという態度に出たのだ。ストレスや時間的制約からの解放は、人を変えてしまうのだろうか。はたして、世間一般ではどうなのだろう。
やっと自由の身になったのに、これはどうしたことだろうと考えていたら、1年が過ぎてしまった。そうしたら、やっとハワイに行くぞという気持ちがわいてきた。それも、「まっ、行っておくか」という横柄な態度。恋い焦がれてきたハワイ様に、こんな態度をとるなんて……。
実は、これから綴る2018年のハワイ旅行の前、2016年にハワイに行っていた。それは、定年後に就いた仕事が終わったらと決めたものだった。やはり、仕事をしていると、ハワイに行きたくなるのかもしれない。
しかし、実際には仕事の延長を依頼され、旅行で休むことを条件に、また働くことになってしまったから、リタイヤ後のハワイとはならなかった。この2016年の旅行があったから、完全なリタイヤ後、旅行を先延ばしすることができたのかもしれない。まだハワイに満ちたりていた、というところだったのだろう。ともあれ、やっとハワイモードに突入。