2018年4月3日(火)
18時。電車で成田空港到着。
電車から降りて、押されるようにあれよあれよという間に、出発ロビーの3階までやって来てしまった。脇目も振らず、ただひたすら歩いて3階まで。ついにここまでやって来た。ここまでにいたる、いばらの道を思い出すと、思わず涙が出てきそうに……これは、嘘。今までの自分の優柔不断さに涙が出そうだったというほうが正しい。
成田空港の厳かな雰囲気は、否が応でも、旅の気分を高揚させてくれる。「さあ、これから出発するんだ」と心を引き締めてくれるのだ。この“厳かな”といえるような重厚な雰囲気が好きだ。これは、あの浮かれた羽田空港にはない。どっちが好きかといわれれば、迷うことなく成田だ。
そんなかしこまった成田空港で、逆に、ユルイ場所を探すのが好きだ。僕にとって、そんな場所は、空港の下のほう。そこには空港とは思えないようなコンビニだったり、喫茶店がある。そうした場所のほうが落ち着く。空港の重厚さに、圧倒されてしまっているせいだろうか。あるいは、この期に及んでも、少しでもヒコーキから離れていたいのだろうか。
まずは、3階をさまよい歩いて、JALのカウンターを探す。「成田空港は広いなぁ~、体育館みたいだなぁ~」とつぶやきながら歩いていると、JALのカウンターが現われる。「お客が少ないなぁ~」と、すぐ喜んではいけない。お客が少ないカウンターは、僕ら庶民担当のカウンターではなく、人が多いほうに行かなくていけないのである。ここがつらい。さらに進んで、人が多くいる人民のカウンターへ。