出発ロビーの沢山ある椅子の端に座る。人は少なくて、ガランとした状態だ。当然のことながら、ここは到着ロビーと違って落ち着きがある。高い天井、広い空間。すべてにゆとりがあるから、自然とこちらの気分も大らかになっていく。居心地がいい。最初から、ここにいればよかったのだ。
出発前の緊張した人には、ありがたい空間だ。ここで、どこに行くのかわからない人たちを見ながら、座っているのはいい。みんな楽しそうだ。きっとわくわくしているのだろう。そんなグループやら家族やらを見ていると、ひとりでいることが、ちとつらくなる。いつものことだ。あっ、そうそう、書き忘れましたが、ひとり旅なんですね。基本的に、ハワイはひとり旅。
ここならゆっくりしていられる……と思っていると、当然のことながら、だんだん飽きてくる。ここでも、落ち着いてハワイのことなんか考えていられない。だんだんお尻がムズムズしてきて、立ち上がる。たぶん10分も座っていられなかったのだろう。
そして、次に向かうのは、いつものようにショップだ。買うものなどないのに、どんなショップがあるのかなと、グルリとひと回りするのだ。当然、目的がないからショップ巡りも、あっという間に終了し、ああ、これでやることがなくなってしまった。
また元の椅子に座る。座っても、なんら状況は変わらない。となると、もう、先に進むしかない。いよいよ身体検査だ。そして、その先の免税店。さらにその先の飛行機の搭乗口。途中でビールという手もあるけれど、今まで一度もやったことがない。これからも、きっとやらないだろう。