20時
絶対買わない免税店をウロウロしてから、行く所もないので、早々搭乗口へ行くことにした。搭乗口から少し離れた所にある椅子に座る。あと1時間だ。もしかしたら、アップグレード、そんなことも頭の片隅にちらつく時間帯である。これが楽しみなんだけど、期待外れのつらさも発生することになる。もちろん、今回も外れ。
ここまでくると、もう忘れ物の心配なんかしなくなるし、早く機内に入りたいばかりだ。そして、嫌でもハワイ・モードになっていく。こうなると、早くこの場所に来てしまったほうが、いいのかもしれない。昼頃、いや朝からここに来て座っていたほうが、精神衛生上、よさそうだ。
そして、あっという間に、登場のアナウンス。うしろの席から先に詰め込まれていく。50番以上のうしろの席は、早めに機内に入れるのがありがたい。
席は、56H、通路側。窓側か、通路側か、いつも悩むけれど、結局トイレの出入りが自由な通路側となる。
登場アナウンスにすぐ飛びつくのではなく、ちょっとしてから列に並んだ。少しゆとりを見せたのだ。で、誰に見せたのかはわからない、変な行動だ。
席にたどり着き、座っていると、あとから自分の右側の窓側の住人がやってきた。若いおねぇ様だ。美人ではないけれど、「あんねぇ」とかいわないような、実直そうな感じだ。よかった。
席に入る時、お尻がこちらにあたり、「失礼」といわれ、こちらもなぜか「失礼」と応じてしまった。こちらから触ったわけでもないのに。彼女は、座るとすぐに毛布を身体に巻きつけ、危なそうなおじさんから身を守るように、厳戒態勢に入った。