ハワイ大好きおじさんの〈路地裏雑貨店〉

『ハワイ大好きおじさんのアロハ!最後のわがままひとり旅』(北嶋茂)その後

 当店、最初は、「ハワイ路地裏探検隊」と称して、ハワイものを中心に並べていたのですが、仕入れに困り果て、菓子類や戯れ言、ボヤキや小言なども並べるようになりました。新品、中古品、珍品、パチモン、バッタもん・・・いろいろ取りそろえてございます。

早く搭乗口に来てしまおう〈いざ出発9〉

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出発ゲート付近



20時
 絶対買わない免税店をウロウロしてから、行く所もないので、早々搭乗口へ行くことにした。搭乗口から少し離れた所にある椅子に座る。あと1時間だ。もしかしたら、アップグレード、そんなことも頭の片隅にちらつく時間帯である。これが楽しみなんだけど、期待外れのつらさも発生することになる。もちろん、今回も外れ。
 ここまでくると、もう忘れ物の心配なんかしなくなるし、早く機内に入りたいばかりだ。そして、嫌でもハワイ・モードになっていく。こうなると、早くこの場所に来てしまったほうが、いいのかもしれない。昼頃、いや朝からここに来て座っていたほうが、精神衛生上、よさそうだ。

 そして、あっという間に、登場のアナウンス。うしろの席から先に詰め込まれていく。50番以上のうしろの席は、早めに機内に入れるのがありがたい。
 席は、56H、通路側。窓側か、通路側か、いつも悩むけれど、結局トイレの出入りが自由な通路側となる。
 登場アナウンスにすぐ飛びつくのではなく、ちょっとしてから列に並んだ。少しゆとりを見せたのだ。で、誰に見せたのかはわからない、変な行動だ。

 席にたどり着き、座っていると、あとから自分の右側の窓側の住人がやってきた。若いおねぇ様だ。美人ではないけれど、「あんねぇ」とかいわないような、実直そうな感じだ。よかった。
 席に入る時、お尻がこちらにあたり、「失礼」といわれ、こちらもなぜか「失礼」と応じてしまった。こちらから触ったわけでもないのに。彼女は、座るとすぐに毛布を身体に巻きつけ、危なそうなおじさんから身を守るように、厳戒態勢に入った。