眠ったかどうかわからないような、もどかしい時を経ると、機内は明るくなり、いつものサバイバル・キットが配られた。朝食だ。これはいつも旅のサバイバル・キットに変身する、重要なものである。
プラスチック・バッグのなかは、パンと水だけれど、これは機外へと持ちだされ、緊急時の食料となる。これがあってよかったと思っている人は沢山いるのではなかろうか。僕は、その代表者。どれほど、この小さな水に助けられたことだろう。そして小さなパンだって、あってよかったとしみじみ思えるものだ。ありがとうJALさん!
もう間もなく着陸だという頃、窓際の席の人たちが、急に外の景色を見始めた。なにが見えるのだろうと見てみると、なんとダイヤモンドヘッド(以下「DH」)だった。空からDHを見るのは、初めてかなと思えたけれど、忘れっぽいからあやしい。
美しい。ただただ美しい。僕には、このDHがあるから、ワイキキなのだ、ハワイなのだ。これがないワイキキって、考えられないほどの存在だ。ああ、ずっとこの上で旋回し続けてくれないだろうか。