13時30分
〈ライオン・コーヒー〉出発。20分ほどの休息で元気を充電。これからアラモアナ方面に向かう。いつもならデリンガム通りのバス停を使うのだけれど、下調べをしていたら、ニミッツ通りのほうにもバス停があるのを見つけていた。
ここには19番と20番がやってくる。海側を速く突っ走る路線だ。デリンガム通りのバスは、なかなか来ないというのが僕の強い印象で、できれば使いたくなかった。チャイナタウンの中心を通らないのがネックだけれど、バスを待つストレスは少ないかもしれない。
で、今回初挑戦。いったいどんな所にバス停があるのか少々不安でもあった。なにせ、あの車ビュンビュンのニミッツ通りにあるのだから……。
店から海側に向かってほんの少し歩くと、交通量の多いニミッツ通りに出る。昔、この道の歩道もないような場所を恐る恐る歩いたことがある。サンドアイランドにあった、ミリタリー用品を扱う店に初めて向かう時だった。その時の印象は、まさに恐怖。あんな所をよく歩いたなと思えるものだった。
そんなニミッツを渡った所にバス停がある。見ると、倉庫のような建物の裏側に張り付くように存在している。すでにふたりの女性がバス待ちをしている。「よかった、人がいる」と思えた。
決していい場所ではない。夜なんか怖くていられないに違いない。昼間でも物騒な感じだけれど、目の前を車が沢山走る道沿いだから犯罪が起こる可能性は少ないだろう。と、自分を納得させてバス停に向かった。
バス停に着くと、当然、遠くから見た通り、狭い場所だった。息が詰まるような閉塞感。うしろは建物の壁、前はビュンビュンの車の壁。なにかあったら逃げ場がない。でも、今後、こっちのバス停にお世話になりそうだ。19・20番バスは、乗り換えなしでワイキキまで連れて行ってくれるのだから。
バス停に人がいてくれると、安心だし、うれしい。つかの間の仲間意識が芽生えるのだ。それに、女性がいるということは、危険ではないという判断も可能だろうか。
13時35分
すぐに20番がやってきた。バスを待たなくてよい喜び。これほどの幸せはない、と思えてしまう。