バスの窓から見える景色は、だんだんと高層ビルが目立ってきた。昔から、空港からワイキキに向かうバスのなかでは、変わらない窓からの景色に、懐かしさや安堵をおぼえていたものだ。「ああ、ここも見たことがある」という安心感。そんな気持ちは、この辺までは同じだった。しかし、ワード辺りに入ると、そんなゆったりした気持ちは吹っ飛んでいく。この辺は、一番激変している地域なのかもしれない。明るくてピッカピカ、とでもいった表現がピッタリのこのエリア。思わず、ここに僕の居場所はあるのかな、と思えてしまう。
ここまできれいになると、昔、夜、あまりにこの辺が暗くて、ビクビクしながら歩いたことが懐かしくもなる。長期間、ずっとそんな状態だったから、そんな昔を知っている人も多いだろう。