駐車場の歩道を渡って、さっそく偵察開始。もちろん、フードコートからだ。
フードコート近くまで行くと、入る前からいい香りが漂ってくる。ああ、この香り。あらゆる食を集めると、こんな香りになるのだろうか。で、これ、タダ。吸って、吸って吸いまくる。そして、このザワザワした、楽しそうな雰囲気がたまらない。
昔に比べて、暗い照明のフードコート。ちょっと気後れしそうなくらいにきれいになってしまった。お店もだいぶ変わったけれど、以前と同じ店もまだ多い。そんな店はだいたい山側だ。海側は、新しいお店が多い。僕の目がいく所は、海側が多い。
このフードコートを見れば、もう半分以上アラモアナ・SCを見尽くしたといっていい。今、「見れば」と書いたけれど、実は、「食べれば」ではないのだ。
いつ利用したかわからないほど、ここで食べていない。見るだけってヤツなのだ。たぶん、なにかいいお店があっても、きっと食べないに違いない。それでも見ないでいられない。
食べない理由は……昼飯は、まずここにいないからダメ。そして夜は、ここにいても、食事をしてホテルに帰ることは考えられない。ホテルで、ビールを飲みながら食事をしたいのだ。ということで、何回も偵察するけれど、ここで食べることがない。
もしかすると、このなかを歩くことで、過去を思い出しているのかもしれない。妻と小さな子ども達とここで食事をしたという楽しい思い出、歩きながらそんなものを食べているのかも。
グルリとひと周りして、「ウン」とうなずきながら外に出た。「ウン」には、いろんなものが入っていた。