15時15分
羽ばたきながらホテルを出発。
これから、ワイキキにできた〈ロス〉に行ってみることにした。なかなかワイキキをウロウロすることもないので、こんなチャンスを利用して、まだ行ったことのない〈ロス〉を見てみることにした。
ただ、行くつもりもなかったので、〈ロス〉がどの辺にあるのか定かではなかった。確か、DFSの近くだったように思うのだけれど、とクヒオ通りをさまよいながら考えていた。
歩いていると、おまわりさんのような制服に、工事の人が来ているような黄色い反射ベルトのついたベストを着たおにぃさんが歩いていた。彼の存在がなんなのかよくわからないながら、その姿から勝手に「道案内できる人」と決めつけた。すごい決めつけ方だったと、今にして思っているけれど、この時は、なんのためらいもなかった。
彼に〈ロス〉の場所を聞いてみた。すると、シーサイド通りという名前が彼の口から発せられた。でも、僕はそのシーサイド通りを知らないので、「この道をまっすぐ行って、右ですか」と聞くと、そうだという。うまく英語が伝わらないこともあり、肝心などこを右なのかがわからずに、お礼をいうことになった。よくやるパターンである。
シーサイドっていうくらいだから、海のほうだっけ。ということで、ロイヤルハワイアン通りを右に曲がって、カラカウア通りをとりあえず目指して歩く。DFSのある道だ。DFSは、昔は、必ず行く所だったのに、今やまったく来ない施設となってしまった。懐かしくもあり、拒否反応もある、複雑な施設だけれど、このあたりは、昔と変わっていないのがいいなと思えた。
スタスタ歩いて、ビーチウォーク通りまで行ってしまった。行ってしまってから、こんな所になかったなぁとなった。仕方なくまた戻りつつ、探す。探していると、さっきの案内の彼とすれちがった。彼はこちらに気づかないので、そのままにしておいてあげた。何度聞いても、地図でも見せてくれない限りきっとわからないと思えたのだ。で、彼の存在はいったいなんだったのだろう。道案内ではなかったのだろうか。いまだにわからない。
カラカウア通りからクヒオ通りを目指して歩く。ついでに、久々のワイキキを歩いてみた。きっともう来ないのだから……。
ワイキキは、賑やかでウキウキするけれど、どんどん遠くなる存在だ。時々、人恋しさに歩くことはあるけれど、ここには僕の居場所はない。ただ、ロイヤル・ハワイアンセンターが、改修されてから、おもしろい存在だと思えているのは確か。調べると、気になるお店が出てくるのだ。ただ、まだ行ったことはない。行ったことがあるのは、HISだけ。これを書いている今、気になっているお店は、〈チャンピオンズ〉。ここは一度行ってみたいプレート屋さんだ。行くまで、なくならないといいのだけれど……。