14時20分
〈マウイ・マイク〉。この時間、外に並ぶ人もなく、外から見ると店内も数人が列をなしているだけだった。数少ないテーブルも空いている所がある。ああ、これで、食べられる。よかった。
初めてではないとはいえ、レジでのやり取りを思うと、ここもドアを開けるのに勇気がいる。ここでも、いっそこのまま帰ってしまおうかと思いながらも、空腹をバネにドアを押す。
レジの前には列ができていた。よかった、時間がかせげる。
まずは、カウンターの上に大きく掲載されたメニューとにらめっこ。最後まで迷っていた、4分の1サイズと2分の1サイズは、それぞれ7.79ドル、9.99ドル。2ドルで倍食べられるなら、残してもいいからハーフサイズだ、となる。舞い上がっていても、意外と冷静なのである。
あとは、くっ付けるソースを選ぶだけ。確か、ふたつだったかなぁ、などと記憶をたどったりしてから、3人いる列のうしろに並んだ。これくらい並んでいてくれると、気持ちの整理ができていい。ウォーム・アップの時間だ。
前の人がオーダーを終える度に、ドキドキ度がアップする。え~と、飲み物は、もうセブン・アップはないから、スプライトで……、サイドは、以前食べておいしかったフレンチ・フライを食べたいけれど、健康を考えてコールスローを選ぼうっと。ソースは、マスタードとBBQ・スウィートを選ぶけれど、つけて食べるつもりはない。よほど、味に飽きたら、マスタードくらいだ。
そして、ついに、とうとう僕の番。「え~と、え~と」という私、「8個かい?」というスタッフ。幸い、そんな会話にはならず、なんとか尋問を乗り越えた。安堵、解放、無事生還・・・このまま座り込んでしまいそうなエネルギー消費。