本屋さんといえば、ワード・センターにあった、〈ボーダーズ〉も懐かしい。あそこにも何度も通ったものだ。
店の絨毯に学生が座って本を読んでいる姿が今も頭にやきついている。勉強家の姿にというより、「そんな所に座っちゃって、汚ねぇだろうが」という驚きのほう。それはともかく、喫茶店もあって居心地のいい場所だった。店を懐かしむとともに、そんなゆったりした心地いい時間が、自分にあったのだという懐かしさもある。それに代わる時間を作れているのかという疑問。
本屋さんの代わりに、古着屋さんばかりに足を運んでいる最近のハワイ。そこにゆったりとした時間が流れているかといえば、なんだかそれに似たようなものは流れているような気がするけれど、だいぶ違う種類のようだ。
ゆっくり本屋さんに入る心のゆとりを取り戻さないといけないのかもしれない。そして、忘れている、あの空間で流れるゆったりした時間を取り戻さないといけないのだろう。本屋さんを思い出すと、そんな反省が押し寄せてくる。
車用のスロープを使って、2階から1階に降りる。目の前のワイアラエ通りを見ると、通りの向こうに数人の人がいるのが見えた。どうやらバス停のようだ。問題はそこへ行くのにどうするかだった。道を渡る横断歩道は、だいぶ先まで行かないとないのがつらいけど、カイムキまで歩くより近い。
着いたハイウェイ下のバス停は、ちと暗い感じ。あまり長時間いたくない場所だ。早くバスが来てくれますように。
12時55分
1番バスに乗車。