乗ってる全員が4階に行く、恐怖のエレベータ内で頭をフル回転させていた。
4階にあるのは、ランドリー・ルームとトレーニング・ルームだ。さて、他の人は、どちらに行くのだろう。着ているものからすると、どう見てもフィットネス方面ではなさそうだけれど、旅先で服装はどうでもいいということもある。
とりあえず、みんなランドリー・ルームに行く人と決めつけると、ドアが開いたら、見苦しくない程度に急がないといけないことになる。
問題は、現在、成り行きで、エレベータ・ボーイの位置にいる自分は、最後に降りるということになり、大いに不利だ。ボタンから離れちまうか・・・そうもいかなそう。
エレベーターが4階に着き、エレベータ・ボーイは、黒人の女性をまず降ろした。彼女は一番最後に現れて、一番いいポジションを確保したことになる。次に、カップルは同じ日本人だろうということもあり、ボーイ君はスルリと職場を放棄。第2位の位置を確保する鬼に変身した。
そこまで品位を落として行ったランドリーは、なんと、ガラガラ状態で、機械も沢山空いていた。職場放棄までしてしまった自分は、なんて小さい人物なんだろう。できれば、洗濯物と一緒に乾燥機のなかに消えてしまいたい、ということになりました。