ここで、〈キラニ・ベーカリー〉のブラウニー様への懺悔を告白しておかなければなりません。
実は……、昨日は、甘すぎて半分も食べられなかったのに、今朝は、半分食べるつもりが、1本しっかり食べてしまったのです。なんだかわからないけれど、おいしい食べ物になっていたのです。一晩経って、ブラウニー側に変化があったわけでなく、受け入れるこちら側に変化があったようです。
昨日の衝撃的な甘さに対する反応は、拒否だった。それが、今日は受け入れてしまっている。いったいどうしたのだろう。砂糖地獄なのに、1本ペロリ。「これはおいしい」とさえ思えていた。これは、困ったことになりそうな予感がする。コワイ。
もしかすると、あの〈ドンキ〉のコールスローが、最初は甘くて辟易していたのに、いつの間にか、「甘くておいしい」なんて思えるようになっていったのと同じなのかもしれない。砂糖マジック。これは、日本で家族に受け入れられるだろうか、という心配は、一挙に遠のいたように思えた。
そして、さらに告白すると、日本に帰ってきてから、コーヒーとともに食べると、これがもう本当においしい。「もう1本食べちゃうか」なんていうようになっていた。もうこうなると、依存症なんて状態に近く、つぶやく言葉は、「太ったって、いいじゃないか、人間だもの!」。
昔むかし、邪険に扱われたブラウニー様は、日本で家族にも歓迎され、「一度に、全部食べないようにしよう」と冷凍保存までされて、貴重品のように大切に、大切に、もうひとつおまけに大切に扱われましたとさ。