あとは荷物の受け取りをすませれば、すべてお役ゴメンとなり外に放り出される。、いよいよひとりっきりで生きていかなければならない。ここにいる限りは、安全なのだけれど、そうもいかない。と、心細いことも考える。
幸い、荷物はすぐに見つけることができ、個人の出口を目指して歩く。いつものように税関申告書を係員に渡して出ようとすると、なぜか荷物を機械でチェックするという。今までこんなことなかったのに、暇だったのだろうか。いいカモにされてしまったように思えた。
入国で、こんな機械に出くわすのは初めてだ。「チェッ、暇人の付き合いかよ」と思わずにいられなかった。チェックする係員も、なんだか、すまなそうにしてるように見えたから、許してあげることにした。あるいは……ほんとうに怪しげに見えたのだろうか。