風呂から出て、夕食も摂らずに、ランドリー・ルームに行った。動きたくないのだけれど、すぐ乾くという誘惑。これは大きい。洗濯物は、一晩干しても、なかなか乾いてくれない。
その前に、干す場所探しに苦労する。日本からワイヤー・ハンガーと、ビニールのロープを持参するのだけれど、ハンガーをかける場所やロープを結ぶ場所って、意外と見つからない。となれば、乾燥させてしまいたい。その一念で身体を動かす。ついに、ランドリー・ルーム、デビューである。なぜか、主婦の井戸端会議、なんて言葉も頭をよぎる。
ランドリー・ルームに入ると、なんとすべての乾燥機が使われていた。そうか、沢山の乾燥機があっても、みんながここを使うとなると、まったく使えないということがあるのだ。ここで初めて、ここの利用は意のままにならないことを悟った。
そういえば、前回泊まった時も、無料でランドリーが使えるといわれたっけ。ということは、ここを利用する人全員が使えるということで、混雑して当たり前。つまり、使えるかどうかあやしいことになる。超ショック!
そんな状態のランドリー・ルームなかを、ひとりの男性が忙しそうに動き回っていた。決して観光客ではないような大量な洗濯物。そのためのせわしない動き。その姿は、ここに住んでいる人にしては、ちょっと……と思えるような人物だった。まっ、いろいろあるのだろう。
どうやら、すぐ空く乾燥機はなさそうだ。肩を落とし、洗濯物を持って、また部屋に引き返す。意を決して来ただけ、つらさも倍増。