ハワイ大好きおじさんの〈路地裏雑貨店〉

『ハワイ大好きおじさんのアロハ!最後のわがままひとり旅』(北嶋茂)その後

 当店、最初は、「ハワイ路地裏探検隊」と称して、ハワイものを中心に並べていたのですが、仕入れに困り果て、菓子類や戯れ言、ボヤキや小言なども並べるようになりました。新品、中古品、珍品、パチモン、バッタもん・・・いろいろ取りそろえてございます。

空港から即活動ってのは〈いざ出発12〉

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イオラニ宮殿の門




 今回の僕の荷物は、36㍑のリュックだけ。でもこれだけで帰るのは不可能だ。これに少なくとも、旅行鞄がひとつ必要だ。それがあれば、あらゆるものを気兼ねなく日本に持ち帰れる。そんなことを、今頃、理解することになった。

 空港から即活動したいという目的のもと旅を続ける内に、いつの間にか、旅の荷物は極力少なくしようという方向に進んできた。少ない日程を有効に使うには、着いた日に空港に近い目的地からつぶしていくのが、とても合理的な方法だったからだ。それは、1日、得したように思えた。
 そして、少ない荷物で旅行をすることは、僕のあこがれでもあった。リュックひとつで旅行する人を見ると、いつも格好よく見えたのだ。

 しかし、そんなことまでして、初日、空港から動く必要はあるのだろうか。サラリーマン時代の日数に制限のある旅行ならまだしも、いや、それだって、そこまでして初日を使用する必要はあるのか。疑問が、ようやくわいてきた。
 今や、そこまでタイトな日程にする必要などない身分になっている。無理に小さなバッグで旅することなんかないのだ。ゆったりなんでも持ち帰れること、これが精神衛生上とてもいい。こんなことを、今頃実感している。でも、このときは、違っていた。まだそんな悟りの境地になっていなかった。