18時
ランドリー・ルームから戻り、やっと食事。人間性まで試され、なんだかどっと疲れた、ランドリー・ルーム騒ぎだった。人生何が起こるかわからない。
窓を開け、いつものように、ラナイ近くのテーブルに座って、外を見ながらの食事だ。これがあるからハワイは楽しい、といってもいいくらいのひとときだ。
まずは、ビールをグビグビして、泡で人間性を洗い直す。これには、もっと多くの泡が必要かもしれない。
ハワイの気候には、やはりハワイの地ビールがよく似合う。飲むたびに、なぜ最初の旅からこれを飲まなかったのだろうと悔やまれる。
昔は、バドだけだった。バドは、アメリカを感じさせてくれるものだった。クアーズでもよかったけれど、あの赤と白の缶のデザインは、それを見ているだけでウキウキしたものだ。
それがやがて、安ければなんでもいい時代に入り、サンミゲルとか、日本では見たことがないようなビールもテーブルに現れた。そして、それだけは絶対やめておいた、日本のビールにも目がいった。最初に、「アサヒが安い」という理由で入ってきて、そうなればキリンだってありだ。こうして、まったくの節操なしの、狂った時代に突入。ただ、まだハワイで日本酒とか焼酎とかはやったことがない。ここが節操の境界線となっている(あっ、これはなるべく日本的なものをハワイでやらないという意味ですからね)。
やがて、どういうわけかハワイのビールに興味がわき、とうとうハワイのビールだけの時代が訪れた。なんと時間がかかったことか。
今夜は、ハワイに来て初めてといっていいくらに、風が心地よい。さわやかなのだ。やっぱハワイは、こうじゃなきゃっ。それってどんな風といわれると、困るのだけれど、いわゆる貿易風。今日の昼間も、気持ちいい風が吹いていた。蒸し暑さを感じるようなハワイは、やはり変だ。今夜は、少し冷たさを感じるほどだけれど、かえってそれが気持ちいい。どうやら、少しずつ人間性が戻ってきたか、あるいはアルコールで麻痺してきたか。