夜景が美しい。そんな夜景を前に飲むビールは格別だ。これだけで、ハワイに来てよかったと思える。
ビールを飲みながら、これからハワイは、どうなっていくのだろうと考えた。ビールを飲みながらだから、いい加減。
少なくとも、過去を知ってる自分のような世代には、さらにしっくりしない場所になっていくのだろう。ハワイに限ったことではないのだけれど、昔の姿がなくなっていくのは、つらいものもある。
ワイキキは、ビルばかりの殺伐とした町になりつつあるように思えてならない。その代表がインターナショナル・マーケットだ。あの泥くささは嫌いで、さほどウロウロしたことはないのだけれど、何があるのかわからないような姿が懐かしい。上野のアメ横的とでもいうのだろうか。嫌いだけど好き、好きだけど嫌い。そんな不思議な場所だった。
新しく作られていく町は、なんだか映画の張りぼてのように思えてならない。虚構の町。そんな場所を避けて、昔の香りが漂う場所を探してさまよう。カイムキだったり、ワヒアワだったり。
町は変化しても、変わらないのがダイヤモンドヘッドやカピオラニ公園、サンスーシー・ビーチだ。ここだけは裏切らないと思っているのだけれど、「ダイヤモンドヘッドの形、現代風に変えてみました」なんて日がくるのかも。
またハワイ来るのかな、と思った。「また来たい」ではなく、「また来る気になるかな」と思ってしまうのだ。来ちまうんだろうなと思いながらも、なんだか、すっきりしない。ビール、グビグビ。