きれいな海を見ていると、17歳の頃、ここで泳いだことを思い出す。どこまで泳いで行ったかまで、はっきり覚えている。ハワイで初めて泳いだ海だ。その美しさの衝撃は大きかった。50年近く経った今でも、その感動は忘れられない。ちょうど、「ハウ・トゥリー・ラナイ」の前方、岩場のあるような場所だ。結構深い。
そこまで泳いで行くと、昔を懐かしむことができる、タイムマシンのような場所である。タイムマシンには、同じ海に同じ風景が必要だ。つまり、カイマナビーチ・ホテルは、このままの姿でいてくれないといけないことになる。ホテルの姿が変わると、大きくイメージが変わってしまうだろう。50年、変わらぬ風景……ありがたい。
さてと、いつまでもここに座っているわけにはいかない。そろそろ出発だ。砂浜では、まだ写真撮りが続いている。ふたりで海で泳いだほうが、よっぽどいい記念だろうに。
11時
出発。ベンチを振り返ると、「ここで泳ぐかどうするか」問題が手を振っていた。スイミング・パンツを持っては来たものの、今回あまり泳ぐ気がなかったのだ。
砂浜に降りて、泳いで、シャワーを浴びて、渇かして、という一連の動作を考えると、ヨッシャという気になれない。これでは「写真撮りだけ」グループとさほど変わらないかな。