いつものように、バスはなかなかやって来ない。バス停に着いた時、誰もいなかったのは、ちょうど行ったあとだったのかもしれない。
1番バスが来ると、バス停にいた人のほとんどがそれに乗って行く。残ったのは、写真を撮っていた観光客の夫婦と数名。それにしても、お腹が空いた。
1番バスは、ベッドタウンに向かうのだろう。モイリイリやカイムキ、カハラ(バスで帰らないだろうなぁ)……いったいどんな所に、バスで帰る人は住んでいるのだろう。そういう意味では、2番バスの行き先は、地元の人には用がないのかもしれない。バス停にずっといると、普段考えないこんなことも考える。バス停はいい社会勉強の場のようだ。
19時45分頃
ようやく2番バスがやってきた。30分近く待ったようだ。ただ座って待っているだけなのに、このバスを待つ疲労感。グッタリしてしまうのは、お腹がすいているだけではない。
バスはサウス・キング通りを右に曲がり、カラカウア通り、クヒオ通りと進む。
2番バスは、ワイキキ方面には、サウスキングを通り、反対のダウンタウン方面には、平行している山側のベレタニア通りを通る。合理的なのだろうけれど、両方とも一方通行というのが不思議でならない。
バスは、乗ってしまえば、今まで待った苦労(絶望感か)をサラリと忘れさせてしまう、不思議な乗り物だ(こんなこと前にも書いたような……まっ、いいか)。