14時10分
〈キラニ・ベーカリー〉前。
初めてのお店は、ドアが重たい。開けてよいものか、いっそこのまま帰ろうか、などと思ったりする。このまま帰ったら・・・卑怯者とかいわれそうだし、一生トラウマになりそうだ。勇気を振り絞って、ドアを開ける。おお、コワイ。
さほど大きくない店内に、お客はゼロ。店のおばさんだけがショーケースの前に立っていた。一瞬、このまま帰ろうかと思える光景だった。
ショーケースのなかを見ると、ありましたブラウニー。大きな塊で、プラスチックのケースに入れられている。ショーケースのなかは、時間のせいか、あまり種類がない。そんななか、ブラウニーはあって、よかったなという感じだ。事前調査では、もっといろんなものがショーケースに並んでいたのだけれど、ちょっとさびしい姿だ。
ショーケースの上にも、ビニール袋に入った塊のブラウニーがあって、値段が違う。どこがどう違うのだろう、悩む。ひとつはっきりしているのは、日本に持って帰るには、プラスチックのケースに入っていたほうがいいということだ。痛まないだろうから、これをお土産にするのだ。
悩む間、ショーケースを間にして、おばさんと対峙しているのがつらい。つらいから、早く決断しなければならない。オラオラ、といわているような気がする(ほんとは、そんな人ではありません)。
結局、ケース入りに決定。10.25ドル。税金を入れて、10.73ドル。量がすごいから、少し、ハワイで食べても大丈夫そうだ。スティック状になっているので、さっそく今夜のデザートにしようと決めた。
ああ、これであこがれのお店をまた制覇できた満足感でいっぱい。帰りのドアは、なぜか軽い。
ブラウニーを引き連れ、〈マウイ・マイク〉に向かう。14時過ぎ、混んでいないといいけど・・・お腹が空いた。