今日の〈コーヒー・トーク〉には、日本人観光客はいない。前回は、めずらしく『地球の歩き方』を持った女性達がいた。いるとうれしいような、残念なような、気持ち複雑。自分も同じ立場なのに、「日本人観光客が少ない方がいい」という気持ちがあるからだ。そんな偏狭な気持ちは、開拓者精神にもつながるから、まんざらマイナス面ばかりともいえない困ったヤツである。
店内は、落ち着く空気に包まれている。ハワイっぽい、というのではなく、なんだか古きよきアメリカを連想させてくれるような造りなのだ。50年代、雑然、パイプの椅子、規則性なし、ガタゴト、そんなものがすべて混ざり合って、不思議なことに安心感を与えてくれるのだ。
これが、〈ボガーツ〉だと、こうはいかない。狭いことによる圧迫感、「仲間じゃないぞ」、そんなものが押し寄せてくる(ような気がする)。ただここは、ホテルから「ちょっとそこまで」できないなのがつらい。でも、だからいいということもある。