ハワイのバス停。ここもバスの車内と同じくらいに、刺激的な場所だといえるでしょう。バス待ちのあいだ、ボォッとしていると、いろんな劇が始ります。
クヒオ通りのバス停で、やたら道を歩く人に声をかける困ったオジサン。その近くに座ってしまい、仲間と思われないようにしていた私。チャイナタウンのバス停では、「いい靴だね」と褒めてくれたオジサンの靴を見ると、だいぶお疲れ。夜のカイルアのバス停では、ひとり旅のオバサンに出会い、その会話の量に疲れましたが、まっ、こんなこともバス停でないと起こりませんからよい経験でした。
写真は、カフクのシュガー・ミル前のバス停。初めての「ひとりハワイ」で、あこがれのガーリック・シュリンプを食べにここまで。着いたのが遅かったこともあり、食べ終わって気づいたら真っ暗に。一緒に食べていた仲間(名前も知りませんが)は、みんな車で帰り、ひとりぼっちでバス停に。
バスはなかなかやって来ず、もしかして、最終バスは行ってしまったのかと思ったのは、ちゃんと調べて来なかったから。今思えば、暗いだけで、たいして遅い時間ではなかったのです。
バス停のベンチで泣きそうになりながら、ここのバス停で泊まる場合、寒いだろうか、追い剥ぎ君は来ないだろうか、と真剣に考える。
タクシーなんて通るわけがありませんが、それにもかかわらず、ノースからワイキキまで、タクシー代はいくらかかるんだろうと、財布とともにその恐怖におびえる。ここで寝る恐怖とタクシー代の恐怖を天秤に乗せ、恐怖は増すばかり。遠くの灯りのついている家に助けを求めに行こうかと、真剣に悩んだバス停です。
あのとき、遠くからバスがやって来るのが見えた喜びは、今でも忘れられません。ここが、そんな由緒あるバス停だなんて、誰も知るはずがないのが残念。