前回からの続き、ココヘッド・トレイルです。
山の下まで来て上を見ると、線路が、まっすぐに頂上まで続いています。目が眩むほどにまっすぐに。
山腹に線路があるのは、戦争中に弾薬などをあげるために造られたようです。線路はあっても、電車に乗せてくれるわけではありませんから、歩きます。
ただまっすぐ線路を登っていけばいいのですから、難しさはないはずです。それに山といっても、たいした高さではなく、たぶん300~400メートル(?)ではないかと思います。
問題は、急坂であることと、途中その線路の下の土壌がなくなっている部分があることぐらい。つまり、「すべると下に落ちるよ」ということになります。日本だったらそんな場所は修復するか、渡らせないでしょう。しかし、ハワイでは、登らせてくれるのです。ということで、登らせていただきます。
急坂は、かなりハードです。当然、「ハァハァ」ということになります。そして、途中何回も休む必要があります(10回は休んだなと)。そして、ついに線路の下がない場所が現れます。体力を消耗しているうえに、さらに恐ろしい事態とは、まさに踏んだり蹴ったり。
できれば線路にしがみつきたいけど、そうもいかない辛さ。戻りたいほどの恐怖感。しかし、ここで引き下がっては日本人の恥、なんて気持ちで渡りきったときは、もう披露困憊。さらに苦難はつづき、最後は、垂直の壁面だったように思えました。
当然、上がりきると、すがすがしく、下に見えるハナウマ湾がきれいに広がっています。しばらく降りる気になれず、放心状態で頂上を楽しみました。
で、「あとは楽しく下るだけ」と、なるかというと、そうではありません。線路の下がない部分は、降りるほうがもっと恐かったといってもいいかもしれません。
登り切った達成感、さらに上からの景色はすばらしく、一度はやってみてもいいと思いますが、私は、二度と行かないことでしょう。
そうそう、途中出会った男性は、おばさんから「あなた、さっきも会ったわよね」といわれる人物で、ここを何回も往復して、トレーニングしてるという、まことにいやなヤツ様でございました。